【ブナの森の不思議】

2017年:本の紹介



面白かった本や、雑誌、パンフレットなどを紹介していきます。
表紙書名(種類)著者・発行日出版社
定価
備考
12月
『役にたたない日々』 佐野洋子 著
発行:2010年12月30日 第1刷発行
2011年3月10日 第7刷発行
朝日文庫
定価:本体580円+税
料理をし、麻雀をあい、韓流ドラマに身を焦がす。病に慄き、自分のバアさんっぷりに愕然とし、それでも身近のものから天下国家までをとことん憂えて怒り狂う。淡々と豪快に生きる老境の日々を 綴る超痛快エッセイ。人生を生きる名言、ゴロゴロ転がっています。
2003年秋から2008年冬までの日々の暮らしを、絵本を描くように力を込めて綴ったエッセイ。解説は酒井順子さんで、追記に「この文章を書いた直後、2010年11月5日に、佐野洋子さんは お亡くなりになられました。後ろ向きのまま、格好良く走り去られた佐野さん。悲しいけれど、そこには爽やかな風が残されたような気がします。佐野さんのご冥福を心よりお祈り 申し上げます。」
11月
『神も仏もありませぬ』 佐野洋子 著
発行:2008年11月10日 第1刷発行
2011年10月30日 第7刷発行
ちくま文庫
定価:本体580円+税
呆けてしまった母の姿に、分からないからこその呆然とした存在そのものの不安と恐怖を感じ、癌になった愛猫フネの、生き物の宿命である死をそのまま受け入れている 日にひるみ、その静寂さの前に恥じる。生きるって何だろう。北軽井沢の春に、腹の底から踊り狂うように嬉しくなり、土に暮らす友と語りあう。いつ死んでもいい、でも今日でなくてもいい。(長嶋康郎 解説から)
山も川も台所も、数年過去も数千年過去も、なんにもとらわれない視力で見る、著者の寛容に胸打たれる。(角田光代 毎日新聞「読書日記」から)
忖度なく、自分の思うことを自由に書いているような文体は、絵本作家のなせる業なのだろうか?
10月
『100万回生きたねこ』 佐野洋子 作・絵
発行:1977年10月20日 第1刷発行
2014年2月5日 第108刷発行
講談社
定価:本体1400円
(税別)
朝日新聞の書評欄で、佐野洋子さんが書いた画集の書評(うろ覚えなので、他の人が書いたのかも)がびっくりするほど面白かったので、佐野さんが書いた本を読んでみようかなと 思うようになってきた。手始めによく知られているこの絵本から読んでみましたが、読後感があまりない本だったので困りものでした。
書き出しは「100万年も しなない ねこが いました」最後は「ねこは もう,けっして 生きかえりませんでした。
9月
『聖山』
永遠のシャングリラ
渡辺千昭写真集
渡辺千昭
発行:2017年2月20日 初版第1刷発行
日本カメラ社
定価:本体4500円+税
25年にわたる中国辺境への撮影行脚の集大成。山々は迫力があり、山麓の高原や流域は広々と美しい。ただ最近は観光地化が進んで、昔の日本の田舎のような辺境の雰囲気が薄れてきているという。
8月
NHKテキスト
 100分de名著

石牟礼道子『苦海浄土』
若松英輔
発行:2016年9月 発行
NHK出版
定価:本体524円+税
2016年9月、NHK・Eテレで放送された100分de名著、石牟礼道子『苦海浄土』のNHKテキスト。
第1回:小さきものに宿る魂の言葉
(小見出し)終わらない物語としての 『苦海浄土』/水俣病の発見/水俣はどんなところか/古からのトポスーもう一つの「水俣」/石牟礼道子の愛した水俣/近代日本の最先端である工業地帯/「見る」「読む」の世界から「感じる」の世界へ/ 語らざるものたちの口になる/先立つ者の悲痛/沈黙の祈り/「花の億土へ」

第2回:近代の闇、彼方の光源
(小見出し)巫女の誓願/不可視な「人格」/もう一つの「人格」/なぜ、「苦海浄土を書いたのか」/なぜ、水銀を流し続けたのか/「原経験」としての釜鶴松との出会い/ 患者たちは何を祈ったか/隠薇の空気/魂を溶かすもの/時に生きる

第3回:いのちと歴史
(小見出し)ライフワークとしての「苦海浄土」/水俣病が奪ったもの/自然と生きる/水俣事件以前の水俣/童話の世界/歴史との対話/足尾と水俣、あるいは田中正造と内村鑑三

第4回:終わりなき問い
(小見出し)文学の役割、コトバの役割/詩人の役割/訪れた「許し」/「もやい」と「のさり」/「チッソというのはもう一人の自分だった/立ち上がる患者たち/水俣の叡知、民衆の叡知/ 情愛と煩悩/おわりにー声にならない呻き
7月
『苦海浄土』
全三部
石牟礼道子
発行:2016年9月10日 初版第1刷発行
2016年10月10日 初版第2刷発行
藤原書店
定価:本体4300円+税
全三部がこの一冊に!
『苦海浄土』は、「水俣病」患者のへの聞き書きでも、ルポルタージュでもない。患者とその家族の、そして海と土とともに生きた不知火の 民衆の、魂の言葉を描ききった文学として、“近代”なるものの喉元に突きつけられた言葉の刃である。半世紀の歳月をかけて『全集』発刊時に完結した三部作(苦海浄土/神々の村/天の魚) を全一巻で読み通せる完全版。
この単行本ができたのはありがたいことですが、1140ページ、1.5sの大書なので、手持ちで読むことはできず、どこに置いて読むかに苦労します。 現在762ページを読んでいるので、読了するまでもうしばらく楽しめそうです。
6月
新版
『神々の村』
「苦海浄土」第二部
石牟礼道子
発行:2006年10月30日 初版第1刷発行
2014年2月28日 新版第1刷発行
藤原書店
定価:本体1800円+税
第一部『苦海浄土』、第三部『天の魚』に続き、四十年の歳月を経て完成。『苦海浄土』三部作の核心。
『第一部』が「ゆき女聞き書き」に代表されるように、彼女の天質が何の苦渋もなく流露した純粋な悲歌であり、『第三部』がトランス状態のうちに語られた非日常界であるとすれば、 『第二部』は水俣病問題の全オクターブ、その日常と非日常、社会的反響から民族的底部まですべて包みこんだ巨大な交響楽といってよい。水俣病は何であったか、そのことをこれだけの振幅と真相で 描破した作品はこの『第二部』以外にはこれまでもこれからもあるはずがなかった。その意味で『第二部』は『苦海浄土』三部作中、要の位置を占める作品というべきである。−渡辺京二氏、本書解説より
5月
新装版
『苦海浄土』
わが水俣病
石牟礼道子
発行:2004年7月15日 第1刷発行
2016年7月1日 第21刷発行
講談社文庫
定価:本体690円+税
苦悩と絶望の深さゆえ、彼らにとって、苦海″は浄土″となった。「ゆき女聞き書」や「天の魚」で描かれる自然や海上生活があまりにも美しいのは、 そのためである。この世の苦悩と分裂の深さは、彼らに幻視者の眼をあたえる。苦海が浄土となる逆説はそこに成立する。=渡辺京二(解説より)
工場排水の水銀が引き起こした文明の病・水俣病。この地に育った著者は、患者とその家族の苦しみを自らのものとして、壮絶かつ清冽な記録を綴った。 本作は、世に出て三十数年を経たいまなお、極限状態にあっても輝きを失わない人間の尊厳を訴えてやまない。末永く読み継がれるべき〈いのちの文学〉の新装版。
【苦海浄土】は三部作で、この講談社文庫『苦海浄土』は第一部。
4月
『シロクマ号となぞの鳥』上、下巻アーサー・ランサム作
神宮輝夫訳

発行:2016年1月15日 第1刷発行
岩波少年文庫
定価:本体760円+税
「ランサム・サーガ」12 
キャプテン・フリントが友達から借りた帆船シロクマ号で、ウォーカー兄弟 ブランケット姉妹、カラム姉弟と航海中にスコットランド近海の小さな入り江に停泊。見知らぬ土地を探検するうちに、ディックがそのあたりにいないはずの鳥を発見。 貴重な鳥の写真を撮るための活動を始める。鳥類研究家ジマリングが狙っている卵を守るために、土地の原住民ともめ事を起こしながらも、鳥の卵を守るために全力をつくす。
シリーズ最終巻。毎回、自然の猛威に翻弄されたり、悪人との追いつ追われつ、ハラハラドキドキ。楽しく読めるシリーズでした。子供たちが生き生きと活躍した湖水地方に出かけたくなって しまいます。
3月
『スカラブ号の夏休み』上、下巻アーサー・ランサム作
神宮輝夫訳

発行:2015年7月16日 第1刷発行
岩波少年文庫
定価:本体720円+税
「ランサム・サーガ」11
新しい帆船,スカラブ号もできて、子どもだけで楽しい夏休みを過ごすはずが、突然の大おばさんの来訪でだいなしに。ナンシイと ペギイはとらわれの身になってがまんの日々を送り、ディックとドロシアは小屋にかくれひそむことに。それでも大おばさんの目をぬすんで帆走を楽しむ子どもたちでしたが、 どろぼう騒ぎがきっかけで、大おばさんが自ら調査に乗り出して…。
大おばさんはイギリス貴族を体現し、ナンシーとペギイに貴族の子供としての服装や日々の暮らしを教え込みます。どろぼう騒ぎが起きた時には、自分で犯人探しに乗り出します。 口うるさいだけでなく、貴族としての気骨を示してくれます。
2月
『女海賊の島』上、下巻アーサー・ランサム作
神宮輝夫訳

発行:2014年10月31日 第1刷発行
岩波少年文庫
定価:本体760円+税
「ランサム・サーガ」10
世界一周の航海中、南シナ海に入った帆船ヤマネコ号は、思わぬ事故で炎上。難をのがれたキャプテン・フリントと子供たち6人ーツバメ号(ジョン、スーザン、ティティ、ロジャ) アマゾン号(ナンシイ、ペギィ)ーは近くの陸地までたどりつきますが、そこは女海賊、ミス・リーが支配する島でした。ハーバード大学に留学経験をもち,流暢な英語を話すミス・リーは学校を作る夢の実現のため、7人に生徒になることを命じます。 海賊の島でとらわれの身になった七人。自由がない上に予期せぬ学校生活まではじまって、不遇の毎日を過ごします。模範生をよそおいながら、脱出のチャンスをうかがいますが…… シリーズで唯一,東洋の海を舞台にした物語。
1月
『六人の探偵たち』上、下巻アーサー・ランサム作
神宮輝夫訳

発行:2014年4月24日 第1刷発行
岩波少年文庫
定価:本体800円+税
「ランサム・サーガ」9
平和なノーフォークの湖沼地方で、船が次々に流される事件が発生。なんとジョー,ビル,ピートらオオバンクラブの仲間たちが、 犯人に仕立てられてしまう。窮地に立たされた三人のために、休暇でやって来たディックとドロシアが探偵団を結成して、事態に立ち向かう。真犯人探しに奔走する六人の探偵たち。 手がかりは得られても決定的な情報がつかめず、事態はますます悪化していく。そんな時、少年科学者のディックの発案で、犯行現場をカメラで撮影することになる。まだカメラの黎明期で、 ストロボやシャッター速度など、自分で決めていかなければならない。結末はいかに?
シリーズ唯一の推理劇。


《2016年度の本》
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